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千葉県の隠れた名所を発見! “小湊鉄道&いすみ鉄道”

関東の東部に位置する千葉県には、観光客が見落としがちな隠れた名所がたくさんあります。

千葉県を散策するのに最適な方法のひとつが、小湊鉄道いすみ鉄道への乗車です。

この2つの鉄道は、千葉の最も美しい風景の中を走る、ユニークで忘れられない体験を提供します。

 

小湊鐵道

小湊鉄道は五井駅と上総中野駅を結ぶ39.1kmの鉄道です。

小湊鉄道は、大正時代初期に養老川流域の地主や裕福な農家が中心となり、房総半島内陸部の振興を図るために鉄道敷設を計画したことに始まります。

現在の内房線五井駅(市原市)から鶴舞を経て、外房の小湊(鴨川市)に至るルートの免許が1913年に認可されました。

小湊鉄道五井出張所

 

当時、沿線で最も栄えていたのが、明治初期に鶴舞藩庁が置かれていた城下町鶴舞(現・市原市鶴舞)でした。

鶴舞という名前は、高台から見た景色が鶴が両翼を広げて舞っている姿に似ていることから名付けられました。

小湊鉄道は、完成当時の姿を残している場所が多く、ノスタルジックな雰囲気を体感することができます。

小湊鐵道は全18駅です。
※トロッコ列車の停車駅は駅名をオレンジ色で示しました

五井 ごい(小湊鐵道の始発・終点駅で、JRとの乗り換え駅です。また、トロッコ列車の始発・終点です)

上総村上 かずさむらかみ(聖武天皇により建設された上総国分寺跡があります)

海士有木 あまありき

上総三又 かずさみまた

上総山田 かずさやまだ(2017年に国の登録有形文化財に正式登録されました)

光風台 こうふうだい(最も新しい駅です)

馬立 うまたて

上総牛久 かずさうしく(沿線で最も利用者の多い駅です。トロッコ列車の停車駅です)

上総川間 かずさかわま(広大な田園風景にポツンと小さな無人駅です)

上総鶴舞 かずさつるまい(昔の城下町で、桜の名所でもあります。1998年に「関東の駅百選」に認定され、テレビドラマ、雑誌のグラビアなどの撮影にも多く使われています)

上総久保 かずさくぼ(構内にある1本の大銀杏がトレードマークの駅です)

高滝 たかたき(市原市最大の観光スポット、高滝湖に隣接する駅です。トロッコ電車の停車駅です)

里見 さとみ(山砂利が埋蔵跡地。トロッコ電車の停車駅です)

飯給 いたぶ

月崎 つきざき(地球磁場逆転地層「チバニアン」の最寄駅。トロッコ電車の停車駅です)

上総大久保 かずさおおくぼ(大福山、梅ヶ瀬渓谷ハイキングコースの下車駅です)

養老渓谷 ようろうけいこく(養老渓谷および養老温泉郷への玄関口で、養老温泉や観音橋、出世観音、水月寺、石神菜の花畑など見所がたくさんあります。トロッコ列車の終点・始発駅です)

上総中野 かずさなかの(小湊鐵道の始発・終着駅であり、いすみ鉄道との接続駅です)

以下、いすみ鉄道へ続きます。

 

いすみ鉄道

いすみ鉄道は、上総中野駅と大原駅を結ぶ26.8kmの鉄道です。

1930年に大原駅から大多喜駅間の15.9kmが開通し、1933年には大多喜駅から総元駅間の6.4キロが開通し、翌年に総元駅から上総中野駅間の4.6キロも開通し、1934年に全線26.9キロが開通しました。

いすみ鉄道は、自動車よりも遅い速度で、のどかな風景に溶け込むかのようにのんびりと里山を走っています。

いすみ鉄道の沿線はカメラマンにも人気で、カメラを片手に鉄道と里山の風景を撮っている光景は、今では日常茶飯事となっています。

いすみ鉄道

 

いすみ鉄道は全14駅です。

上総中野 かずさなかの(いすみ鉄道の始発・終着駅で、小湊鐵道との接続駅です)

西畑 にしはた

総元 ふさもと

久我原 くがはら

東総元 ひがしふさもと

小谷松 こやまつ

大多喜 おおたき(大多喜城、大多喜ハーブガーデン、重要文化財の渡辺家住宅、大屋旅館など)

城見ヶ丘 しろみがおか

上総中川 かずさなかがわ(行元寺、荒木根ダム、伊八の波など)

国吉 くによし(出雲大社上総教会、国吉神社など)

新田野 にったの(源大宝寺など)

上総東 かずさあずま(源氏ホタルの里、トンボの沼など)

西大原 にしおおはら(発坂峠、弓折塚など)

大原 おおはら(いすみ鉄道の始発・終着駅で、 JRとの乗り換え駅です)

 

土日祝の日帰りプラン

小湊鐵道といすみ鉄道を使って五井〜大原の房総横断65.9kmを、一部の区間をトロッコ列車に乗って、のんびり春の菜の花を楽しむローカル線の旅を作りました。

この沿線の菜の花の開花時期は例年2月中旬以降ですが、いちばんの見頃を迎えるのは、おおよそ3月中旬から4月中旬です。

桜の開花時期は例年3月下旬から4月上旬頃なので、タイミングが合えば、車窓から桜×菜の花が楽しめます。

 

要注意
トロッコ列車は毎日運行していないので公式HPで詳細を確認してください。
また、トロッコ列車には乗車券のほかに、トロッコ指定席券が必要となります。
また、このトロッコ指定席券の当日予約はできませんので、乗車予定日30日前から前日までにHPからの予約が必要です。
当日はスマートフォンによるチケット表示となり、スマートフォン以外では表示できませんので注意してください。
詳しくは公式HPを確認してください。

トロッコ列車の展望車 2号車と3号車

 

五井駅

JR内房線五井駅で下車し、小湊鐵道に乗り換えます。

前日までに予約したトロッコ列車に乗車し、9時28分に小湊鐵道 五井駅を出発

※2023年3月18日以降は、ダイヤ改正に伴い、9:11発から9:28発に変更予定のようです。念のため、トロッコ列車の予約の際に出発時刻をご確認ください。

※ランチは里見駅の停車時間に購入

五井駅

 

里見駅

里見駅には10:51に到着し、約10分間の停車予定です。

ホームに軽食や飲み物が臨時販売されています。

里見駅

 

11:01に里見駅を出発します。

 

養老渓谷駅

トロッコ列車の終点です。

養老渓谷駅には、11:28に到着予定です。

ここから普通電車に乗り換えて、上総中野駅へ向かいますが、乗り継ぎ時間が約1時間ありますので、養老渓谷駅周辺をゆっくりと散策します。

まずは、駅から北西(戻る方向)へ徒歩11分(800m)のところにあるフォトスポットの「石神菜の花畑」へ向かいます。

先ほど乗ってきたトロッコ列車が、五井駅へ折り返し運転するので、そのトロッコ列車と葉の花のコンビネーションフォトを狙います。

折り返しのトロッコ列車は、養老渓谷駅を11:41に出発しますので、それに間に合えば、こんなフォトが撮れるかもしれませんよ。

石神菜の花畑とトロッコ列車

 

続いて、宝林寺へ向かいます。

来た道を戻り、養老渓谷駅から南へ徒歩6分(500m)のところにあります。

宝林寺は、戦国時代に房総で勢力を誇った里見氏ゆかりのお寺で、「南総里見八犬伝」のヒロインのモデルとなった種姫のお墓もあります。

宝林寺

 

養老渓谷駅へ戻り、12:34発の普通電車で、小湊鐵道の終点の上総中野駅へ行きます。

 

上総中野駅

終点の上総中野駅には12:44に到着します。

12:51発のいすみ鉄道へ乗り継ぎます。

 

大多喜駅(いすみ鉄道)

13:12にいすみ鉄道の大多喜駅に到着します。

大多喜駅から西へ徒歩8分(650m)のところにある大多喜城へ向かいます。

大多喜城は、徳川四天王のひとり、本多忠勝によって築かれた城です。

二の丸には周囲10m、深さ20m、日本一の大井戸が現存しています。

大多喜城

 

大多喜駅へ戻り、東へ徒歩3分(240m)のところに重要文化財の渡辺家住宅があります。

この辺(久保、桜台、新丁地区)は城下町の面影を残し、国の登録有形文化財の酒店や酒造、旅館などがあり、江戸時代から変わらぬたたずまいを残す建物が点在し、昔を偲ばせています。

重要文化財の渡辺家住宅

 

大多喜駅に戻り、14:09発の大原行きの普通電車に乗ります。

大原駅(いすみ鉄道)

大多喜駅から、ゆっくりと葉の花を楽しみながら、終点の大原駅へ向かいます。

大多喜駅〜国吉駅間、城見ヶ丘駅周辺、新田野駅周辺などでも見ることができます。

特に、3月下旬頃~4月上旬頃は沿線の桜が見頃を迎えます。

約32分間の乗車を経て、14:41に終点の大原駅に到着します。

大原駅構内にある売店では、いすみ鉄道オリジナル商品や、地元の特産品などを買うことができます。

また、大原駅から北西に徒歩5分(320m)のところにあるの地酒「木戸泉酒造」で、大原の地酒も購入できますので、お土産にどうぞ。

まとめ

いかがでしたか?

小湊鐵道の五井駅からいすみ鉄道の大原駅まで全31駅の全長65.9kmは、千葉県房総エリアの最も美しい風景の中を走る、ユニークで忘れられない体験を提供します。

特に3月中旬または下旬頃から4月上旬は、タイミングが合えば、菜の花や桜の中を走るローカル線の旅をお楽しみいただけます。

菜の花は、いすみ鉄道の全線26.8kmのうち15kmの区間で開花しているため、ほとんどのエリアで見ることができます。

さあ、カメラを片手に鉄道と里山の風景と、ノスタルジックな雰囲気を体感しに出掛けましょう!